黒猫、好きな人

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黒猫、好きな人

都会にそびえ立つように建っている数々のビルの中の一つに その彼女はいる 朝から気だるげに会社へと足を踏み入れる社員たちを眺め 何度も何度もあいさつをする受付嬢達 その中に彼女はいる だれが通っても無愛想、無表情、無感情な彼女は他の受付嬢に混じって頭だけを下げる 透けるような白い肌、天使の輪が出るのではないかというくらい艶やかな黒髪が肩の位置でふわふわと揺れる それに加え、少しだけ吊ったような大きな黒い瞳
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