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あ。今の女の子、嵐のこと好きなんだ。
あたしにはテニサーの人脈は嵐以外ないし、根拠はない。でもそう思ってしまった。
「あー、悪い! 今行くよ! ……悪い、俺のこと探しに来てくれたんだろ?」
嵐は悪びれた様子もなく、あたしを見ながら顔を傾ける。会いに来たって、どうして判ったんだろう。
うちのテニサーはわりと真面目な方で、社会人チームと交流試合みたいなものをよくやっている。
嵐は試合に出るし準備もあるしで、励まそうと思って来たのはホントだった。
「うん、けど……忙しいなら、あたし、帰ろっかな」
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