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「夜……かぁ」
別に、今日は暇だったから帰ってもすることはない。寮だって、さやかに連絡して開けてもらえば門限なんてないも同然。
「いてやるか」と小さく呟いて、嬉しくなった。
夜になれば、嵐とゆっくり話せる。
ただそれだけのことなのに、浮き足立ってしまうような気持ちになった。思わずにやにやと笑い出したくなってしまう。
そんなあたしの耳に、「気を付けろよ」という低い呟きが届いた。
振り返ると、見たことのある男の人が道具を整理するかたわら、不機嫌そうな顔をしてあたしをじっと見ていた。
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