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嵐と再会してから、あたしはこのテニサーのたまり場を何度も訪ねている。そのへんにいる適当な人に嵐を呼んでもらうんだけど、確かこの人にも頼んだ気がする。けど、この人の名前は思い出せなかった。
「何に気をつけろって?」
彼は立ち上がり、異性を感じさせない仕草であたしにそっと顔を寄せ、小さく耳打ちしてくれる。
「嵐の奴さ、ヒマができたら必ず酒が入んだけど」
「あー、そんなクセあるよね。それがどうかした?」
訊くと、彼は少し顔を赤らめた。
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