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光る時の空間に吸いこまれ、良幸が現れたのは 城の片すみのかくれ家(が)だった。竹と植木で囲まれた 昔の小さな門の前だ。
良幸の手足はちゃんと土や葉を感じた。現実にあるってことだ。目の前で 父と少年が 小さな庭で剣の練習をしている。
花姫の父上と平之助だ。良幸にはすぐ分かった。
でも親子には 良幸が分からなかった
「だれだ おまえは?」父上が聞く。
『え?』良幸が平之助を見ると 前より少し小さい。『幽霊じゃない。父上もまだ生きている時だ!ボクは過去に来た!初めて2人に会ったんだ!』考える良幸。
平之助が せかす。
「父上がだれだと聞いておる。答えよ」
「花姫さんの友だち・・・ワッ」
答える前に、隼人と花姫が 門から出てきて 良幸を押し出した。
「キャー」「ワーッ」
またまた おどろく父と子。
父上には 愛する娘が幽霊でも 見えるようだ。
「花姫!へやにいろと言ったろ」と しかる。
「はい父上」と 分からず答える花姫。
平之助には幽霊の花姫が見えず キョロキョロ探す。
花姫は良幸たちを「遊びの友の者」と説明し「へやで 遊びます」と 2人を父からさける。
隼人は本物の侍を見て喜び、良幸に言う。
「どうやらオレたちは 本当に過去の世界に来たようだな」と 竹刀で土をつついて 夢じゃないと確かめる。
「うん」良幸もうなずく。
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