第2章 戦場に行った友を救う物語

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父上は 隼人が竹刀を持っているので  「おぬし剣はできるのか?」と 隼人に聞く。 隼人は 剣に自信があり 「まーな」と なまいきそうに答える。 「戦えそうだな」 「もちろん。試合か?賞金はあるの?」 「たのもしいやつじゃ。よし ついてまいれ」 父上が行こうとすると 平之助が父上にすがって願う。  「父上、私も行きとうございます」 「早るでない 平之助」  良幸は 行く先が気になる。 「ぼくも友だちと行く」  父上が良幸を止める 「いや 君はいい。平之助 その子に相手をしてもらえ」  父上は黙って隼人だけを連れて門を出る。 「どこへ行くの?」良幸が追う。  平之助が 良幸の手をつかみ、かわりに答える。 「戦争に行く部隊を集めているのだ。子どもは必要ないそうじゃ」  平之助は「子ども」をやたら強調した。強い子は自分より小さなやつが戦争に行けるなんて許せない。  良幸は あわてる。 「じゃ隼人君は 戦争に行くってわけ?」  練習試合じゃない!もし隼人が戦争で死んだら 大変なことになる。 「だめ!行っちゃダメ!隼人くん」  良幸は平之助のうでをふりほどき、急いで後を追う。  でもすぐ殿の家来が ヤリで良幸が行くのを防いだ。 「待て!殿さまの命令だ。おまえは平之助君の相手をしろ」  「いやだ」反抗する良幸。 「私の友だちよ。放して!」  花姫が家来の手を打つと 家来はヤリを落とした。
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