第2章 戦場に行った友を救う物語

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 良幸は家来から逃げるが 追いかけられ またつかまる。  爺(じい)やが通りかかり 「何をしておる?」と聞く。爺やには花姫も見えていた。    家来がわけを話すと、爺やは花姫に言う。 「子どもの行く所ではない。安全のため 母上を呼ぶまでここにいらっしゃい」 爺やは2人を近くのこく物小屋に閉じ込め、家来に外で見張らせた。 「どうしよう」良幸は頭をかかえる。 「だいじょうぶよ」姫は平気。 「でも隼人くんが・・・」  オテンバ姫は床の板が1枚、はがれるのを知っていて 「ここを持ち上げて」と 指さし、良幸が板を上げると 床下をくぐって外へ出てしまった。 「やるね」良幸は姫を追う。  2人は隼人を探して 部隊の兵舎へ行く。  でも隼人はすでに 隊長の勝利の演説を聞き、戦争に心をひかれていた。戦いの前金にゆうわくされ、隼人の頭は『悪の非京軍(ひきょうぐん)を やっつける勇士』へと変えられていた。  幽霊の花姫は 兵舎のかべから入り、隼人を外に連れ出した。  建物の裏で 良幸は隼人と会う。  隼人はかなり こうふんしている。 「見ろ、この金貨を持って帰れば 大金持ちになれるぞ。オレは1人で自由に生きたい。見ろよこの刀も すごいだろ」と 本物の刀をふり回す。  良幸に「危ないよ」と 言われて刀を納める隼人。  戦争ドラマやゲームが好きな隼人は 1度、戦争に参加して 役者のようにかっこよく戦ってみたかった。  良幸が反対する。 「ダメ!絶対 行っちゃダメ!」
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