第2章 戦場に行った友を救う物語

8/23
前へ
/45ページ
次へ
 花姫と良幸は「平之助の死」で 戦争の痛ましさを 知っていた。体や手をを切られた人も見た。  2人は 必死で隼人を止める。 「戦争はいっぱい人が死んで 血を流すんだ。そんなの聞いてないだろ。参加しちゃダメ!」 「フン」隼人は そっぽ向いて鼻で笑う。  花姫も「死んだらどうするのじゃ!」と 止める。   でも隼人はもう 勝利の栄光と金貨で頭がいっぱい。 「生きたら得するだろ。死ぬこと考えてどうする?弱虫には成功もねえ」  良幸と会うまで 死んだようなさびしい家にいた隼人は『死』なんて恐れない。活発な戦国時代に飛んで 暴れてみたくなった。  良幸は隼人の前で 行くのを防いだ。 「どけ!」よろい姿のたくましい隼人は 友だちを強い力で押しどけた。  良幸は吹っ飛び 後ろに転んだ。 「良幸さま」花姫がかけよる。  隼人はふり返らず 元気いっぱい 刀をふりまわして  「非京軍をやっつけろ」と さけび、軍隊の中にもどって行った。  小さな良幸は 力で隼人を止められない。  「隼人くんを何とかしなくちゃ!」  花姫は 深くため息をつく。 「金貨は人を狂わせる。もう止められぬ」  どうしたらいいか悩む2人。  あわただしい城内に 事件は次々しのびよる。  城の中に敵国のスパイも忍び込んでいた。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加