第1章 幽霊うわさと新しい友人

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 良幸が『おこづかい』と言う前に ママがおどろき 「何ですって?」と テストをひったくる。  ママは テストを見て「あなた~」と叫ぶ。   テストの質問は 達筆(たっぴつ)な古文で書かれている。  パパも のぞきこんで 「どういうことだ?」  夕食の時 幽霊のうわさで良幸をからかった両親は 急に心配しだした。 「幽霊に取りつかれたのかしら?どうしよう あなた」 「笑い事じゃないな。神社でおはらいでもするか」 「学校でもからかわれたようだし 先生に相談してみようか」  両親は深刻な顔になり 百点に二千円あげるどころか 百点が恐怖になってしまった。 「だいじょうぶ。ボク もう 幽霊、恐く無いから」 「だいじょうぶじゃありません!」  さっそく次の日、ママは 担任の大杉先生に相談に行った。   大杉先生は生徒思いの優しい大らかな先生だ。でも大らかすぎて 他の先生たちにもしゃべり、校長まで相談に乗って来た。  次の朝 大杉先生は さっそくクラスの生徒たちに 「あんまり幽霊で 田森をからかわないようにな。霊界に連れ去られると困るからな」とじょうだんっぽく言ってくれた。  クラスの多くの生徒たちが「はい」と返事。まだ小学生のように「はーい」というやつもいた。
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