第1章 幽霊うわさと新しい友人

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 危ない友だちとは 家で遊ぶ方がまし。良幸は よく隼人のへやに行くようになった。  女の子の明利は『楽しいけど 2度とドジしないよう気を使う』、おしゃべりな子に『秘密は守れない』。  友だちで気楽なのは男の子だ。隼人とはHな話もできるし 秘密も話せるようになった。でもまだ明利の事は話していない。  きょうは隼人のへやで 良幸が「タイムマシン」の話をすると、隼人は時の「次元」に興味を持った。 「君、城の石がきで時間がからまわりしたって 言ったよな。だったらそこに 時間を飛びこえる何かが あるかも知れない」 「そうだね。いつか調べてみよう」 「今じゃダメ?」 「あの付近はママが行くなって」 「だまってりゃいいじゃん。ガキじゃ あるめーし」  良幸は1さい年上に「ガキ」と言われたくない。「ママ」と言ったのも子どもっぽく思えた。 「いいよ」良幸はうなずいて 話は決まり! 『幽霊城』に 行くことになった。良幸も2人なら心強い。  隼人は決めたら、すぐ実行する。止める家族もいない。いつでも出られるのは便利だ。  用心のため隼人は竹刀(しない)まで持って家を出た。  隼人の目的は 「魂(たましい)じゃなく 自分が戦国時代に行きたい。過去にタイムトラベルしたい」だった。 「そりゃムリ」 「君は もうどこかで時空をこえたんじゃねえか?」  確かに良幸は 花姫の手など時々さわれた。  時の剣と物置小屋は 次元をこえていた。  霊界とは 別の世界があるかもしれない。隼人に言われて 良幸は初めて気付いた。 image=491768287.jpg
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