第2章 戦場に行った友を救う物語

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 花姫と隼人と良幸はお城への坂道を登る。  お城の入口で 幽霊の警備員が 花姫におじぎをする。  でも良幸が通っても 警備員はつっ立ったままだ。  隼人が 警備員の前に立ち おどけて見せる。 「侵入者(しんにゅうしゃ)が見えて無いぞ」  花姫がクスクス笑って お城の中に入る。  幽霊の武士が(ぶし)がおじぎをする。 「姫様 ご用は?」 「城の探検よ」 「お元気ですね。部下の仕事をさまたげぬよう お願いしますよ」  武士は花姫だけ見て 音も無く去る。見えない良幸たちはかってに入る。  隼人は さっそく城の探検開始。手をのばして ふれる物を探した。  良幸と花姫が後を追い、隼人に聞く。 「何をしてるの?」 「異次元のドアは無いかと思って」と さわりまくる隼人。  でも 隼人の手はカベもドアも すりぬけてしまう。  良幸もマネをして ふれてみるが、やはり さわれない。  城の入口から、女の子が入って来た。  良幸が見ると『明利さんとそっくりだ!』  おどろいて、花姫に聞く。 「あの子は?」 「いとこよ。おじさんのお使いかしら?」  女の子は おじさんに何か包みを渡して出て行った。  目で追う良幸。『明利さんのご先祖だろうか?』  明利を思い 心がときめく。  隼人の方は ぜんぜん少女に興味がない。頭の中が時の入口に夢中。隼人は タンスや机もみな 開けようとするが、期待に反して手でさわれない。image=491796235.jpg
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