誘惑だらけのショッピング

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久しぶりのショッピング。 …の合間に。 見慣れたその看板に引き寄せられるように、俺たちはその店の中へと入って行った。 「久しぶりだね、100均。」 「まあ、普段特に用事ねぇしな。」 そう、…100均。 目的は、至ってシンプル。 彼女がいない平日に、作り置きの手料理を保存してもらうためのタッパをお買い求めにやってきた。 普通のデパートで買っても良かったのだが、貧乏性な彼女が頑として100均を譲ってくれず、通りすがりに訪れたのがここ、ダイソーだ。 「カゴ、いるか?」 「ううん、いらない。」 「………」 「え?…だって、タッパでしょ?」 「……賭けてもいいぞ。」 「…なにを?」 「間違いなく、他に無駄な買い物するって意味だ。」 「…し、しないよ!」 「そうか?」 「そう!」 「へえ、…なら俺は少し向こう見てくるぞ。」 「オモチャのとこ?」 「ああ。」 「じゃあ、あとですぐ行くね。」 「ククッ。」 「…なに。」 「いいや?…ゆっくり選んでいいからな。」 「………」
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