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「お母さん、手短に話すと、腸が中に入り込んでしまって、そこが壊死したりする怖い病気で、うちでは処置できません」
___え…………
「発症後48時間以内の処置が必要なので、すぐ総合病院へ向かわれてください」
医師はスラスラと紹介状を書いて、私に手渡し、
「受付で渡して。土曜ですから、時間外診療になりますが、すぐに小児科の先生が診てくれるはずです」
「は、はい……」
ただ事ではないことが、ヒシヒシと伝わる封筒だった。
そのかかりつけの病院でも、
「ごめんなさい、時間外診療になります」
予定外の出費をし、
「お母さん!急いで!だけど、事故しないように!」
『くっそー!多良田め!』
と、口に出して言いそうになりながら、
チャイルドシートに芹南を乗せる。
「痛い、ママ、痛い」
運転を始めると、更に痛がる娘。
こんなときに限って渋滞している。
信号で青になるのを待ちながら、
「はやくはやく…………」
よわっちい母親は、
また、
涙と鼻水まみれ。
総合病院に着いたのは、30分後だった。
……芹南は、いつから発症していたのだろう?
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