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「そんな、ご飯とか食べてる気分には……」
煙草の火を消して、手を振り、ノーの返事をする。
「こんな時だからこそ、お前がしっかり食べなきゃいけないだろぅが?
子供が気になるなら、一緒に連れてこい、何でも奢ってやるから」
「あ、いえ……」
芹南がいないこと、
話してなかったな。
「なんだよ?飯が不味くなるくらい俺、嫌われてんの?」
段々不機嫌になってくる山岡工場長。
今日は、下心はなさそうだ。
「娘、旦那にとられちゃったんです。
それが、母の心労になったみたいで」
別に、甘えたいわけじゃない。
さっき感じた猛烈な孤独感が、
誰かにきいてもらいたいと、
私の口を動かしてしまった。
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