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「お前は来るな」
工場長は、そう言うけれど
「でも、一番あり得るのは私の不注意だから…………」
ここに意地でも居座るつもりもない私が、責任を取るのもありかと思ってしまう。
「お前が頭下げたところで、先方は納得しねぇだろ」
山岡工場長は、男子更衣室の前で、
シッシッ!と追いやる振りをすると
「お前は、今日こなさなきゃいけないオーダー分の仕込みをやれ、焼きは正造に頼めよ」
背広をロッカーから取り出して外出の準備を済ませた。
″ ちゃんと、持ってきてるんだ ″
「午後から頼んだぞ、佐藤」
「はい……」
好ましい状況ではないのに、
仕込みを1人任された事は、何となく嬉しい。
私は、髪をひとつにまとめあげ、
白い帽子と作業着を身につけて、
午後開始15分前に工場に入る。
″ やるしかない ″
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