第3話-2-2

9/40
前へ
/40ページ
次へ
「佐藤さん、どうしたの?その髪!」 翌日、 朝イチで会った古賀島さんにビックリされる。 「ちょっと,気分転換に」 昨日、私はあのまま、近所で一番安い 美容室に足を運んだ。 「わ、なんだ?!佐藤??その猿みたいな頭っ」 山岡工場長も、作業していたその手を止めてしまうほど、 今の私の髪は短い。 「ベリショーと言ってください」 「だから、あの混入していた髪は、お前のじゃ……」 「クレームのせいだけじゃありませんよ」 長い髪=女らしい。 そんな古典的な美的センスその他もろもろは 私の成長を妨げてしまうこともある。 「失恋したからか」 「違います」 少し、女であることを忘れてしまうほど 何かに熱中してみたい。 「そろそろ、釜の方も教えてください」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

63人が本棚に入れています
本棚に追加