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「俺が行くから」
元夫が、娘を迎えに来る。
その状況をすんなり受け入れたわけじゃないけれど、断れなかったのは、
元義母までアパートにやって来たからだ。
「………芹南そんなところで寝てたら風邪引くわ」
畳の座布団の上に寝てしまい、上から綿毛布と掛け布団をかけてはいたけれど
彼女にとっては、″ そんなところ ″ なのだろう。
「とりあえず、ハッキリするまでは芹南はうちの子供だから」
『孫でしょ』
と、突っ込みを心の中で呟き、
逃げるように芹南を抱きかかえる元義母を見つめる。
「さっき、義母さんに電話してたの?」
「うん」
けしてマザコンではないのだろうけれど、
いつも母親の意志を尊重するところも
何となく、
結婚生活に不満を残す要因だったような気もする。
「調停………もうすぐだな」
あと半月もしないうちに
裁判所にて、お互いの主張を調和してもらうときがやって来る。
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