第3話-2-2-2

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「俺が行くから」 元夫が、娘を迎えに来る。 その状況をすんなり受け入れたわけじゃないけれど、断れなかったのは、 元義母までアパートにやって来たからだ。 「………芹南そんなところで寝てたら風邪引くわ」 畳の座布団の上に寝てしまい、上から綿毛布と掛け布団をかけてはいたけれど 彼女にとっては、″ そんなところ ″ なのだろう。 「とりあえず、ハッキリするまでは芹南はうちの子供だから」 『孫でしょ』 と、突っ込みを心の中で呟き、 逃げるように芹南を抱きかかえる元義母を見つめる。 「さっき、義母さんに電話してたの?」 「うん」 けしてマザコンではないのだろうけれど、 いつも母親の意志を尊重するところも 何となく、 結婚生活に不満を残す要因だったような気もする。 「調停………もうすぐだな」 あと半月もしないうちに 裁判所にて、お互いの主張を調和してもらうときがやって来る。
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