第3話-2-2-2-2

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「6日までにまた、連絡するから」 優は、芹南が遊んでいたアンパンチャンのオモチャを拾い上げて、 それ以上は何も言わないで ただ、 まだ起き上がれないでいる私の髪をそっと触り、 部屋を出ていった。 少し動くと、 「………………った」 下半身に痛みがあって、 やっぱり、気持ちがないと、 行為事態に 快楽も一体感も生まれないんだと思った。 優の乗っていた車のエンジンがかかる音が、部屋の中まで聞こえてきて そして、 携帯電話に、不在着信の緑のお知らせランプが点滅していることに気付く。 一時間前……… 「正造だ………」 すぐに折り返して電話しようかと思ったけど、それは思いに留まる。 もう、夜中の12時過ぎてるし、 寝てるかもしれないじゃない。 それに今日のこと聞かれたら、何て話すの? 「………………」 ____″ 言い訳 ″ だ。 もし、 正造がこの部屋に来たら、 困るから。 ふしだらな身体を、知られたくないから。 こうなったことで、正造と終わりだなんて、 考えたくないからだ。 私は 最悪だ。 浮気を責めて別れた夫と、 不本意ながらも、 ″ 浮気 ″したことになる。 「何で電話よこさないんだよ?」
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