第3話-2-2-2-2

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コックコートを身にまとった正造を久しぶりに見た気がする。 「子供たちが帰ったの、遅かったから」 タイムカードを押して、すぐに山岡工場長のもとへ向かおうとした私の腕を、 正造が、力強く掴む。 「″ たち ″?」 その顔を見ると、不信感で歪んでいる………ように見えたのは、私の罪悪感のせいなのか……… 「元夫と義母さんが帰ったのがだよ…」 嘘ではないけれど、まるでウソつきになった気分。 「ふうん。 あ、お前、今日夜 空けとけよ」 「え?」 夜、ご飯だけじゃないよね?きっと。 昨日の今日じゃ、いろいろシンドイよ。 「大事な話があるからさ」 「………………話………」 東京出店の話だろうか? それとも……………… 「朝礼始めます!」 用件はなんなのか リサーチできないまま、 日常の朝が始まった。
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