68人が本棚に入れています
本棚に追加
正造が、戻ってくるまでの間、
とても長く感じた。
そして、嬉しかった気持ちに水を差すように、
チロリン♪
元夫からメールが届いていた。
【もう、二度と浮気しないから
戻ってこいよ】
心臓が、ダーツの的になったみたいだ。
「外、雪 降りそうな寒さになってきた」
携帯を慌てて仕舞うと、外の冷たい空気とともに、
正造が、小さな紙袋を目の前に持ってきた。
「ほんとはさ、90年代のトレンディドラマみたいに、小田和正の曲聞きながら、稲佐山の夜景バックに渡したかったんだけど…」
「………これ」
N宝石店の紙袋。
「こんなんで、信用してもらえるか、お前がそんな単純な女だとも思えないんだけど」
開けて見ると、
指輪だった。
最初のコメントを投稿しよう!