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秋奈先生からのご褒美…一回で良いから貰いたいんだけど、答える度に間違うか誰かに先を越されるかで回答権を没収されてしまうんだよね。
選挙で逆転して大差を付けるからくりかぁ。
僕の通う銀杏並木の街路樹沿いの中に佇む煉瓦色の校舎の学校・すみれが丘高校をモデルに考えてみても、うちは生徒数がざっと600を越えるマンモス校で、女子率が高い。
僕のクラス2年B組だけでもゆうに50人はいるのに、
それから三分の一の200以上の票を獲得するなんてどうすればそんな芸等が出来るのか判らない。
そんな僕みたいなげきおち君の為に秋奈先生は幾つかヒントを教えてくれるんだよな。
秋奈先生のイラストを指で押してヒントを聞いてみる。
「ヒントが欲しい?」
秋奈先生は片手で口を抑えて伸びをしながらそう言うと、タクトを縦に振りながら、ヒントを画面に出現させた。
「ヒント1・犯人はA君じゃないわよ」
画面の黒板にチョークで書かれたヒントメッセージに、開いた口が塞がらなくなった。
問題からは、A君が生徒会長になりたいが為に投票結果を覆すトリックを使ったんだと思ったんだけど…、
そうだよな。考えてみれば如何様使ってでも生徒会長になりたいかって僕自身に重ねてみても、
激落ちくんの僕がなれる筈が無いから端から諦めているし、誰も、
『本田学』
なんて僕の名前に投じないだろうし…何より遊んだり彼女作ったりしたいのが本音だったりする。
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