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きれいな光だなと見つめていると、横に御形が座っていた。触れ合った腕が温かい。
「あの二人、再び出会えて良かったな」
運命と一括りにするのは嫌いだが、呼び合う魂はあるのだ。それに、俺をここに呼んだのは、この桜なのだろう。
そして、繋がってゆく、真里谷へ、真里谷から柴田へと。
光が夜空に溶けるように、柴田を残して青年は消えて行ってしまった。
「真里谷君、疑って悪かった。君の占いは本物だった」
占いは、何もしていないかと思う。
「黒井君と、雑賀君だね。君たちは、本物の天使なのだね」
どうして天使が関係あるのだろうか?
「典史兄ちゃん、翼、出ているよ」
御形の弟の一穂が、寝ぼけて指摘する。既に夜中になっていた、子供が眠る時間になっていた。
「翼!?」
いつ翼が出てしまったのだろうか。慌てて翼を折りたたもうとすると、後ろに居た真里谷が、俺の翼を座布団代わりにして座っていた。
気付いていなかった俺も何だが、こいつが翼を勝手に出して、使用していたのか…真里谷を睨んだが、真里谷は気にもしていない。
「黒井、翼が見える奴は、触れる事が可能なのよ」
真里谷が俺の翼で、ポテチの油を拭いていた。
「でもな、天使の能力を使うと、地上に長く居られなくなるだろ。だから、翼は出したくない」
翼に塩コショウが付いていた。真里谷、ポテトに、ブラックコショウを足すのが好みだ。
「元々、無能な天使だろうが…」
真里谷、容赦なく俺を罵倒する。
「ビルの占いの館を承認することにしたよ。あれは、私の土地なのだ。胡散臭い者達に貸すなと言っていたが、今日のことで、本物が居ると分かったよ」
蔑まされる事が多い霊能力者で、一番うれしいのが、感謝されることだった。
「ありがとう」
本物の礼というのは、心に響く。そして、心に染みる。
「さてと、タクシーを呼んで帰るとするか」
柴田老人が去ろうとすると、さり気なく御形の母親が手を引き、斜面を誘導していた。
「俺達も帰るか…でも、その前に、この土地浄化させておくよ。居るだけで、右手、引っ張られる」
強い思いは、生きている人間にも影響を及ぼす。浄化というのは、悪い物を払うだけではない、残った思いを浄化することも含まれる。
「又、能力増したのか…」
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