錯乱

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錯乱

この世の不条理さに 心を乱されて 春一番はいつ吹いた? 気付かぬまま 桜の木の下で 宴を楽しもうよ あの日あの時 キミと見た桜だよ ボクの左手に もう温もりはないけど 散り逝く花弁を 掴まえようとはしゃいでた キミの残像が ボクには幻にみえなくて 気付いたらボクは 宴の席で酔いつぶれてた やっばりマズかったな… ボクは桜にさえ 怯えるようになってて 折しも今日は キミとの結婚記念日だったから 余計にね この世の不条理さに 心を折られて 悪戯に吹く風は 1枚1枚花弁を散らす 桃色の花弁の雨 大地を染めてゆく キミと見た桜に 2人の名前を刻んだ ボクの左手に もう感触はないけど 散り逝く花弁を 掴まえてははしゃいでた キミの微笑みが ボクには幻にみえなくて…
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