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古澤の目には確固たる覚悟が感じ取れた。その目を見て、高橋は胸打たれるものがあった。このボロい白メック、ノーティフロッグが動き出し、固めのヘッドライトに照らされた、そのときに感じたような熱さが。
高橋もまた、この熱い感情が自身の胸にも灯る感覚がした。
「あの…このメック、売ります」
その言葉を聞いた古澤の表情がパアっと明るく輝いた。
「おぉ、じゃあこれに…」
古澤が胸のポケットから何かを取り出そうとするのを、高橋は手で制した。グッと握りこぶしを握った後、俯きがちの顔を上げ、正面から古澤の視線を受け止めた。
「ただし、条件があります」
古澤は手を止めて、高橋と視線を交わした。高橋は何かを決意するように強く目をつぶった後、こう告げた。
「…オレをレーサーにしてください!!」
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