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(どういうこと……?会津藩って、京都守護職の……?)
本人である輝夜が一番困惑していた。
「……迎え入れるのは仕方ないとして、この子、戦えるんですか?」
「……知らん」
沖田が土方に訊ねると、藤堂がいい事を思いついたと手を挙げた。
「ハイハイ!じゃあ、腕試しってことで誰かと試合でもすればいいんじゃないっすか?!」
「あ、いいですねぇそれ。じゃあその子と平助の稽古試合っていう形でいきましょうか」
「へ?」
沖田がにやりと笑うと、近藤が「ふむ、確かにな」と続いた。
「会津藩からのお達しであればここに置かねばならないが、何しろ腕がなければ戦場には立たせられん。藤堂くんと神城くんには早速明日稽古試合をして貰おうか」
「「えぇ!?」」
輝夜と藤堂は顔を見合わせる。
「平等にするため神城くんには同じ木刀を使ってもらうが、良いかい?」
「ま、待ってください、稽古試合なんてそんな……私…!」
「異論は認めん。本日は解散とする。明日の早朝、追って詳細を伝える」
勝手に切り上げ、土方は眉間のシワを解くことなく部屋から出て行った。
「ごめんねぇ。土方くんも、きっと混乱してるのよ。もちろんアナタもでしょうけど……アッちょっと総司ちゃん、この子の縄解いて……あら?」
先程までいた沖田は、いつの間にかいなくなっていた。
「もぉ、困ったちゃんね!藤堂クン、悪いけど解いてあげてくれる?ついでにお布団も敷いてあげて頂戴」
「え?あ、ハイ……」
げんなりとした表情の藤堂を置いて、山南と近藤は行ってしまった。
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