第2章

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ー・・・ねぇ、お母さん。 お母さんは私を産んだとき、こんなに苦しかったの? 大変だったのに、一人で私を育ててくれたんだよね。 こうやって、大人にしてくれたんだよね。 ねぇ、お母さん。 私、お母さんみたいになれる気がしないよ。 ー・・・だって。 この子がお腹にいることが、辛い。 苦しい。 そう思っちゃってるから。 「愛莉ちゃん、これ食べれる?」 そう言って麻夏が、私の目の前に掲げたのはヨーグルト。 「・・・アロエ?」 「うん、好きでしょ?」 「・・・好き。」 「食べれる?」 「うん、頑張る。」 麻夏の家にお邪魔して3日目。 人に頼ると自分自身に余裕ができてくるのか、悪阻もよくなってきて。 今だって毛布にくるまりながら、机に伏せているところだった。
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