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war of the goldenwitch
うみねこのなく頃に episode10
「……やっぱり人間は陸地だよな……」
「うーうー!戦人、落ちるー落ちるー!」
「真里亞ちゃん、もうよしてあげな…」
苦笑いする譲治。
甲板で戦人が6年ぶりに参加するということで、いとこ達は楽しく会話をしていた。
しかし、そんな裏で親兄弟達は焦臭い話をしていた。
「親父の遺産を兄貴は横領してる。これは間違いない」
「でももし、本当に横領してなかったら…」
「あら楼座ぁ?今になって怖じ気づいてるのぉ?あんた、そんなんだから兄さんに遊ばれるのよ」
「っ………。でも、否定はできないわ。留弗夫兄さんだってこんなこと…」
「じゃあ楼座は兄貴が親父の遺産を横領してねーって証拠を掴んだのか?」
「……悪魔の証明よ。そうだった証明もなければそうじゃない証明もない」
楼座は珍しく堂々と意見する。
その姿に二人は言葉に詰まる。
「それに、蔵臼兄さんだって何か言いたいことがあるはずだわ。なんでもかんでも決めつけるのはよくないと思うの」
「……ろ、楼座っ私達にそこまで言うってことはなにか考えがあるんでしょうね?」
絵羽は楼座の顔を睨む。
「……えぇ。絶対に叶うってわけじゃないけど……お父様の隠し黄金についてなの」
「隠し黄金?」
「そんな馬鹿げた話………。いや、あったか」
留弗夫はあることを思い出した。
「なによ!一体なんなのよ!?」
絵羽が留弗夫に突っかかる。
「姉さん、覚えてない?お父様が最近画家に描かせた屋敷の玄関ホールに飾ってある肖像画の魔女の名前」
「あんた……いい大人にもなってあの話、信じてるの…?あれはただの御伽噺みたいなものじゃない…っ」
「姉貴、落ち着けよ。もしこれが本当の話なら……そう考えたことはねーか?もしこれが本当の話なら、兄貴はその黄金を見つけてるってことだよ」
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