第11章 禁断の扉

1/30
53人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ

第11章 禁断の扉

サチがよく言ってた。 「蒼ちゃん、僕ね、雨の夕方って大好きなんだ」 優しい匂いがするんだって。 例えば 誰かの為に作る夕飯の匂い。 ホッと一息つく カフェの匂い。 そっと恋人に寄り添う 湿ったジャケットの匂い。 それは 愛に満たされた匂いがする時間なんだって。 あいつは言ってた。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!