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「ん…」
さっきのキスで起こしてしまったのか、身じろいだ眞緒の手が私を探して彷徨う。
昨夜の仕返しに少し意地悪をしてやりたくなって、その手をひらりひらりと躱(カワ)していると、いきなりバチっと開いた黒い瞳。
寝起きだからかいつもの吊り目が若干たれぎみになっていて可愛らしい。
「なん…で、逃げ…んの…?」
掠れた低い声で不機嫌そうにそう言ってジットリこちらを見つめる眞緒は、いつもの大人ぶった余裕の表情ではなく迷子の子どもみたいな顔。
そんなギャップに即K.O負けしてしまう私はこの男にとことん甘い。
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