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そもそも、このロイヤルデュークスのプレジデンシャルスイートに宿泊できるということが、うちに嫁ぐ最低限の条件らしい。
明らかに一般の客などどこにも紛れ込んでおらず、身なりのいい者たちしか集められていないこの状況に、勘の鋭いものならこれが何を意味するのか気付いているのだろう。
夫婦揃ってうちの父に挨拶をする者たちより、父娘揃って俺に挨拶をする奴等のほうがさっきから異常に多いのだから。
「眞緒、気に入った子がいれば話してきなさい。」
「………。はい、父さん。」
はっ。
いるわけないだろ。
枠だけ決めといて、あくまで俺に選ばせたような気にさせるなんて父さんもなかなかの策士だ。
こんなお膳立てをするぐらいなら、どっかからいきなりポッと連れてきた女と結婚しろと言われた方がまだマシだというのに。
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