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まだ免許はとっていないけど、いずれは私が乗るつもりのピカピカの丸っこくて可愛い車。
その後部座席のドアを開いて身を屈める。
両親、それに2人の姉とは同じ家に住んでいるけれど、ホテルまで一緒に向かうことはない。
だって、我が家はそういう家でそれが当然なんだから。
それを今さら疑問に思うこともなければ、一緒に行こうなんて誘いたいとも思わないし、その逆もまた然り。
家族というよりは、血の繋がった者同士のシェアハウスのような希薄な関係。
適度に開いたその距離が、私たち家族にはピッタリだったのだ。
そうして、いつものツンとした表情をそのままに、運転手付きの私の専用車に乗り込んで、予約してあるホテルの名前を告げた。
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