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気分は爽快だ。
半ばむりやり連れてきた少女は、最初こそ不安そうな顔をしていたものの、さすが金持ちの娘だけあって根性が座ってるのかすぐに俺に懐いた。
そんなあこのよくわからない日本語に適当に相槌を打って、子どもの好きそうな唐揚げでも食べさせていればグズることもなくとても大人しい。
いっそ寝てくれればもっといいんだが、折角のこの連れ合いに文句は言わないでおこう。
姉と違ってこいつの顔にはまだ将来性があることだし。
そんな失礼なことを考えていれば、
「まおー、おいしー。」
と、唐揚げの油で唇をテカテカさせながら屈託なく笑うあこ。
素直にその表情を可愛いと思い頭を撫でていれば、後ろから地を這うような低い声が俺の名前を呼んだ。
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