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「眞緒、そちらのお嬢さんを私にも紹介してくれるかな…?」
その声の主は明らかに怒った父。
おそるおそる振り返ればこめかみに血管が浮き出ている。
「父さん…!あの、こちら…椎名あこ…ちゃん…です。」
「まおのぱぱー?」
「あこ、静かに…。」
「随分若いお嬢さんと楽しんでいるようだが、説明できるか…?」
ギロリとこちらを射抜く蛇のような眼。
父のこの眼が嫌いだ。
上から押さえつけるように威圧するこの視線はとぐろを巻いて俺に絡みついてくる。
そもそも、俺に選ばせるんじゃなかったのかよ。
そんな子ども染みた言い訳が頭に浮かぶが口にすることはさすがに出来ない。
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