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「おいで…?まお。」
「………うん。」
その場に膝をつき少女を力強く抱き締めると、小さな手で俺の頭をよしよしと撫でるあこに、やっぱり俺が抱っこされてるんじゃないかと可笑しくなって先程の緊張も忘れて頬が緩んでいく。
子どもは体温が高いなんてよく言うけど、ほんとうにあこは温かくて、そして柔らかくて。
なんていうか、すごく癒される。
もちろん周囲の突き刺さるような視線にも気付いてはいるけれど、そんなものはもうどうでもいいとさえ思えた。
こんな小さな体で、”望月のお坊ちゃん”ではない”眞緒”を慰めてくれようとしてくれていることが何よりも嬉しかったから。
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