【15年前】

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売り言葉に買い言葉で。 父さんに一泡吹かせてやりたかったから。 そんな感情は、きっとあとづけなのかもしれない。 こんな小さな子相手に、こんな気持ちになるなんてどうかしてる。 そう思う自分はもうどこにもいない。 ひとりの人間として そして、ひとりの女性として 俺には彼女が必要なんだと気が付いた。 「ねえ、あこ…。」 「…ん?…なあに?」 「俺、あこが大人になるまで…ちゃんと待つから…。」 「……?」 「俺、それまでひとりでも頑張るから…。」 「……??」 「そしたら、また俺のこと抱っこしてくれる…?」 「……うん!まおがんばって!」 あこはそう言ってニッコリと笑った。
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