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だったら、こんなになるまでしなけりゃいいのに。
そう言ってやりたいところだけれど、折角思いが通じ合ったんだから今日ぐらいは可愛い女の子でいたくて、何も言わずにしがみついた。
「どした?亜子?」
「………。」
「…もっかいしたいの?さすがにもう空っぽで生産工場閉鎖中なんだけど。」
「違うってば!!」
「あぁ。じゃあピロートークでもしてほしいの?」
「ん。してほしい。」
「ククッ、素直…。」
「悪い?」
「いいえ。ほら、もっとこっちおいで、亜子。」
これ以上くっつきようなんてないのに。
ほんの隙間でさえ許さないとでもいうように眞緒は私を強く強く抱き締めた。
人生で一番幸せな私の誕生日……の翌日。
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