【最終話】

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「それで、指輪の内側にはなんて書いてあったんですか?」 「それは私と眞緒の秘密。」 「あら、教えてくださってもよろしいじゃないですか。」 そう言って、私の左手の薬指を見つめながら、ふふふとサツキは笑った。 あの誕生日の日から少し早く帰ってくるようになった眞緒と、そんな彼を玄関まで出迎える私の姿を見て、一番喜んでくれたのはサツキだ。 そんな彼女に、これまでのいきさつをすべて話し終えて、ふたりでのんびりと縁側に腰掛けてお茶を啜る。 今日は私と眞緒の初めての結婚記念日。 振り返れば、あっという間の1年だった。
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