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汗だくの父の隣に腰掛けてから、既に10分が経過したけれど。
隣の父は先程からそわそわと落ち着きがなく、腕に嵌めたロレックスを覗き見ては、大きな溜息を吐いての繰り返し。
普段から厳粛な父が、こんなに慌てているのは珍しい。
と言うより、何か尋常じゃないことが起こっているのでは?と勘繰ってしまう。
何かとルーズな二人の姉は別にしても、小うるさい祖父母も、時間に厳しい母までも現れない。
これは、何かがおかしい。
予感めいたものが、確信に変わろうとしていた正にその時だった。
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