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その経歴もさることながら今夜初めてお目通りしたそのルックスも割といい部類に属するんだと思う。 細く吊り上がった目には、それに似合わない真ん丸で大きな黒い瞳。 筋の通った高い鼻と、その下に位置する薄ら笑いの止まない軽薄そうな薄い唇。 それに、御年30過ぎの年齢の割にはきめの細かい白いお肌が、どこか中世的な印象を匂わせていた。 白い馬がさぞかし似合いそうなその風貌は、彼が生まれながらの王子様であることを物語る。 まあ、私はごめんだけど。 そんな夢の王子様は、私に対して愛想のない笑みを浮かべながらクツクツと笑った。
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