真夜中あなたに思うこと

【２】

朝から降り始めた雨は、私の心を表すかのようにしとしとと音を立て、途切れることなく降り続く。

それはまるで、小奇麗な化粧を施され泣くに泣けない私の代わりに、空が泣いてくれているかのようだ。

幼馴染の彼と駆け落ちできれば、もうこの先どんなわがままだって私は言わない。

ドラマのようにここから私を攫って、連れて逃げてほしい。

小さなボロアパートで暮らすのだって、あなたとなら耐えられる。

そんな空想が実現するわけないことぐらい、誰よりも自分が一番わかっているくせに。

新郎新婦控室に度々訪れようとする家族を全員断り、あろうことか新郎さえも親族控室に追いやって、

私は決して晴れることのないこの心と、窓を打ち付けては垂れていく雨粒を眺めながらその時を待った。