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高級ホテルを多く経営している望月グループとあらば、新居もさぞや小洒落たタワーマンションなんだろう。
そんな想像は式の当日、脆くも打ち砕かれた。
純日本家屋…。
いや、これは御殿と言った方がいい。
驚き呆れる私をよそに、眞緒はこちらに目も向けずに義務的に呟く。
「ハウスキーパーは既に15名雇っていますが、足りなければ言ってください。それと、あなたのお宅のサツキさんでしたか?彼女も明日からこちらに来ていただくことになっています。」
「サツキも、良かった…。」
「家具は一通り揃えていますし、衣服も私の見立てですがいくつかご用意いたしました。なにか欲しいものがあれば御実家の方には言わずに直接私に言ってください。」
「ご丁寧に、ありがとうございます。」
「いえ、妻がいつまでも実家に頼りきりなどと噂が流されれば迷惑を被るのは私ですので。」
こいつ。
いちいち腹立つ…。
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