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屋敷の目の前に駐車された車から降り、眞緒に続いて門の内へと入れば、眼前500坪以上に渡って広がる日本庭園。
完璧なまでの石組みに、色鮮やかな錦鯉が優雅に泳ぐ池、そこに響き渡るししおどしの心地よい音。
西洋館をイメージして作られた実家を持つ私にとって、この光景は唖然というか、それこそ本当に開いた口が塞がらない。
人のことを悪く言えた義理でもないけど、金持ちのすることは本当に理解不能だ。
そんな事を考えながら、玄関までの無駄に長い道程を彼の後ろに続くように歩き出した。
けれど…、
ここにきて一つ気掛かりなことが出てきたのも事実。
このだだっ広い大御殿に、曲がりなりにも新婚夫婦が2人きりなどおかしい。
もしや両親も同居なのでは…。
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