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負けじと敵意剥き出しの目でそちらを睨み返せば、腰に響くような低い声で、
「初孫ですからね。……両家共に。」
と、意地悪そうにそう呟いて、その男はスタスタと歩いて行った。
無理だ…。
もうホントこの人やだ!
その後に続くことができずに呆然と立ち竦む私に、先行く夫がチラリと視線を寄越したかと思えば、
「さっさとしてください。」
だかなんだかを言い残し、玄関の戸をピシャリと閉めた。
そうして終えた新婚初日。
来週にでも役所に行って離婚届をもらってこなければと決意したのは、最早いうまでもない。
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