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そんな退屈な昼下がり。 板張りの床が軋む音がして、そちらに目を向けると、 「亜子ちゃん?」 と、私を呼ぶサツキの懐かしい声。 久しぶりに、…自分の名前を聞いた気がする。 「どうかしたのサツキ?」 すごく嬉しいのに、放って置かれたこともあいまって、少しつっけんどんに返事をしてしまう天邪鬼な私。 そんな私の性格を十分に良く知るサツキは、クスクスと笑いながら子どもを相手にしているかのような優しい声で続けて言った。 「亜子ちゃん、良ければ庭に行きませんか?」 「庭?どうして?」 「亜子ちゃんアスクレピオス好きでしたでしょう?裏口の花壇に綺麗に咲いていますよ。」 ニッコリと笑うサツキに連られて、私の腰が持ち上がる。 そういえば、ここに来てから外へ出るの、 私、初めてだ…。
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