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「嬉しいわ、本当にありがとう!」 「それは、ようございました。」 「ねえ、ひとつだけ摘み取っても構わないかしら?部屋に飾りたいの!」 「ふふ。是非、そうしてあげてください。」 優しく微笑むサツキに再度礼を述べ、私は咲き誇るアスクレピオスの中で一番色の濃いものを選び摘み取った。 その後、サツキと別れた私は自室に帰り、部屋に持ち帰ったその花を一輪挿しに活けて居間のテーブルの上に飾った。 可愛らしい小さな花びらを眺めているだけで、 何の会話もない夫との冷え切った関係も、 冷たい印象を与えるこの部屋も。 そのどちらも温かく彩ってくれるような気がしたから。
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