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彼に嫁いでから今日で2か月が経った。 毎日真夏日の炎天下の下、今日もお決まりの場所となった花壇の前に座り込み、日傘を手にしてパトロール。 あれからサツキも随分この屋敷の勝手にも慣れ、仲の良い友人ができたらしい。 そんなサツキの紹介で割と年齢の近い調理場の小泉くんや掃除婦の加賀さんといった話し相手も出来た。 ここに来たばかりの頃は自分の人生に悲観こそしていたものの、深く付き合っていくようになれば、皆温かくとても親切な人たちばかり。 最初こそ不思議なものを見るようにしていた彼らも、今では家族のように接してくれているのがとても心地いい。 しかし、その反面。 紙切れ一枚の上でのたった一人の家族である夫とは打ち解けられることなく、以前に増して冷戦は酷くなるばかり。 一瞬垣間見えた不戦条約も、今思えば私のホームシックが原因で少し気弱になっていただけのこと。 誰があんな男に身も心も許してやるもんですか…っ! ふん!と鼻息荒くして、私は立ち上がった。
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