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聞かれた質問に間髪入れずに息巻いて返事を返す。
「今更なに?嫌いよ。…大嫌いよ!あんな人!」
「そう、ならよかった…。」
「どうして?まさかサツキ…。眞緒のこと…!」
「あぁ、違います!そうじゃなくて…!亜子ちゃんが眞緒さんのこと何とも思ってないって言われるんじゃないかと心配していたんです。………好きの反対は嫌いじゃなくて無関心だなんて、よくある言葉ですど、私は本当にそう思いますので…。」
「だとしても無理よ…。それこそ今更だわ。」
「今はそれでいいんですよ…。この薔薇に込めた思いが届くのは今じゃなくても…。だからこれ、受け取ってください。ね…?」
「サツキ…、今日は私を慰めろとでも言われたの?あなたの雇い主に。」
「いいえ、幸せになってほしい人たちに、私が出来ることをしに来ただけですよ。」
「ほんと…、余計なお世話が大好きなのね…。」
そう笑うと、サツキは嬉しそうに笑って部屋を出て行った。
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