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なんで関係ないかって?
それは、私の家がお金持ちだからだ。
私が働く必要性もなければ、たかが20そこそこの小娘の給料なんて我が家では一食分の食事の金額に相当する。
くだらない。
そんなはした金の為に自分の時間を売るだけでも嫌だというのに、そこに労働の義務まで課せらせるなんて吐き気がしそうだ。
だからこそ、余計に。
私には、この光景が滑稽で虚しいものに見えてしょうがなかった。
人は生まれながらにして、皆平等だ。
そんな綺麗事を言ったのがどこの誰だったかさえ私は知らないし、そもそも私に知識なんて必要ないんだから、そんなこともどうだっていい。
これからも続く無駄に永いこの人生の、何の節目でもないこの行事に苛々としながら。
他の学生とはゼロが2つ程違う羽織袴を翻して、
私は4年間ろくに世話にもなっていない学び舎を後にした。
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