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「あ、頭を支えて。もう一方の手はお尻を抱え込んでやると赤ん坊が安心します。」
「あぁ。……こんなに小さいに、案外重いな。」
千可子さんから豹馬くんを受け取った眞緒は、不器用な手つきで抱き上げると、私には見せたことのないような優しい顔でそう呟いた。
「あんまり人見知りしないから可愛げあるだろう?我が子ならもっと可愛いぞ。」
そう言って嬉しそうに笑う獅子谷さんに、
「そうだろうな」
なんて思ってもいない言葉を返しながら、次に言った眞緒の一言に驚愕した。
「なあ、妻にも、その…抱かせてやりたいんだが…。」
「……あぁ。もちろんだ。」
……………?!
何を考えているのかわからない。
これも来客をもてなすパフォーマンスの一環だというのだろうか。
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