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若干拒否気味の私になんて、まったく気付く様子もない親馬鹿フルスロットルの獅子谷さん。 彼は嬉しそうに二つ返事で了承し、それを聞いた眞緒は赤ん坊を渡そうとこちらに身体を寄せてくる。 「え、あの。私……。」 「ほら、亜子。」 そう言って、眞緒は戸惑う私の腕に赤ん坊を委ねると、 「お前も、抱き方慣れてないんだな。」 なんて砕けた口調で言いながら、私の腕の中にいる豹馬くんを人差し指であやしている。 それに、ニッコリと微笑む可愛い顔に、思わず 「あ…。」 と、声を上げた。 ふにゃりとした顔で微笑むその顔が、何とも言えないほどに可愛らしい。 そして、そんな私の腕の中にいる小さな命を無愛想な夫が覗き込む。 この時、一体どちらにそう思ったのかはわからないが、 ただ、“愛おしい”と、はっきりそう思った。
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